ジュエリーHome > ラフダイヤモンドコラム > ダイヤモンドはどこで採れるのか?日本ではとれない理由
鉱物(石)の一種である多くの宝石は、世界各地で採掘されます。ある石がどこでも取れるものかどうかは、価格が安いかどうかでわかります。たとえば、一見、美しい色をした宝石でも、どこででも大量に採れるものは、需要と供給のバランスから「安い宝石」になります。
宝石であることの条件は、「美しい、稀少性がある、耐久性がある」の3つです。だからこそ「誰もが持てない希少性がある」ことは、その価値が大きくかわる大切な要素となります。
透明な石の代表である水晶とダイヤモンドを比べれば、価値の差は歴然です。
世界中のどこでも取れる水晶に対して、ダイヤモンドは、極めて限られた、いくつかの場所で採掘されるだけ。約9億年以上前、地球がまだ活発に活動していた頃、マントルの中に出来上がり、さらに数億年かけて、火山活動の活発な頃に、地球の表面近くまでマグマとともに登ってきました。マグマは冷えて固まり、「ブルーグランド(キンバーライト)」と名付けられた鉱石のパイプ、その中にダイヤモンドが含まれていたのです。
地表からみると、地球内部からパイプのように伸びた点のような場所です。しかも、その土地は、地球のもっとも古い時代に固まった、大陸の中にある小さな一点でしかありません。大きな大きな地球の表面からみると、針で突いたように限られる場所に、偶然出てきたのがダイヤモンドでした。
日本はというと、地球上では、比較的新しい地殻の上に存在する国です。すなわち、約6億年前以内に生まれた「ダイヤモンドに縁のない残念な地」なのです。おおよその区分けをした地殻地図で見ると、ピンク部分が、その「残念な地」に相当します。
一方、6億年以前にできた地殻は地図の茶色部分。この部分にだけ、ダイヤモンドを含んだブルーグランドのパイプの可能性があります。しかし、現代まで、宝飾用の産地といえたのは、赤い印の場所だけです。特に現在は、アフリカ、シベリア(ロシア)、カナダ、オーストラリアに限られています。それぞれの場所で採掘されるダイヤモンドには、その土地ならではの鉱物的な特性もあります。同じダイヤモンドなのに、なぜ違うのか、いつかお話しする機会を作りましょう。
筆者:吉田良(株式会社ヨシヨシ)
第13回
ローズカット オールドタイプ
第12回 ダイヤモンドの魅力:その3 美しさ 光の中の秘密
第11回 ダイヤモンドはどこで採れるのか?なぜ日本ではとれないのか
第10回 ダイヤモンドの魅力:その2 硬度 地球上でもっとも硬い石
第9回 ダイヤモンド原石とカット(形・シェープ)
第8回 ダイヤモンドの魅力:その1 希少性 その価値は世界共通
第7回 ダイヤモンドは宝石の中の王様
第6回 ダイヤモンド 美しさの秘密
第5回 ダイヤモンドは永遠の輝き
第4回 ダイヤモンドは地球の中から生まれた
第3回 ダイヤモンドの遥かなる旅
第2回 このダイヤモンドは、「唯一のもの」
第1回 ラフダイヤモンドについて
ラフダイヤモンド(ダイヤモンドの原石)ジュエリーコレクション
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